PEラインの上下入替えの際や寿命を迎えたラインをスプールから巻き取るとき、あなたはどうしていますか?
手巻き?それとも専用器具?
私の場合、上下の入替えをするときはリールの替えスプールを複数利用して巻替えをしてますが、廃棄は手巻きでした。
上下の入替えはまだ良いですが、廃棄が滅茶苦茶面倒。
200m以上あるラインを手で回収するとなると、時間が掛かるわ、疲れるわ、散らかるわでそりゃもう大変。
第一精工の高速リサイクラーのような専用器具を購入すれば時短出来るのですが、あんな汎用性のない物にスペースもお金(何千円)も使いたくないというのが正直なところ。
そこで、前々から考えてた案を実行に移すことにしました。
使用するのは、どの家庭にも必ず1個はあるであろう「電動ドリルドライバー」。(え、ない?)
今回はその「電動ドリルドライバー」を使った電動高速ラインリムーバーを自作しましたので、作り方と使ってみた感想を紹介します。
電動ラインリムーバーの材料
電動ラインリムーバーの材料はたったの3つだけ。
- ペットボトル
- 六角ボルト(全ネジ、M6~、50㎜~が目安)
- ナット(手で固定しやすい蝶ナットもOK)
材料費は全部で200円位。激安です。
ただし、一点注意。
このライン巻き取り機は、軸(シャンク)の形状上、インパクトドライバーでは使えないので注意!!
なお、電動ドリルドライバーは探せば2000円台の商品もあります。
トルク、回転速度などの性能は値段なり。家具の修理やDIYなど他の用途(本来はこっちがメインですが)のことを考えれば、そこそこ性能の良いものを買った方が後悔しないと思います。
私はHiKOKIのコードレス電動ドリルドライバー「FDS12DAL(2ES)」を愛用中。1万ちょいで軽く、トルクもそこそこあるので、何かと重宝しています。(ドリルドライバーで物足りなくなったらインパクトドライバーを買う予定)
電動ドライバーとペットボトルを使った高速ラインリムーバーの作り方
ペットボトルを空にする
まずはペットボトルの中身を一気飲みし、中身を空にします。
記録20秒。
一番大変な作業でした(笑)
キャップに穴を空ける
キャップの中心にボルトの径と同じサイズの穴を空けます。
私は手元にあるドリルで空けましたが、無ければ錐でもアイスピックでもなんでも構いません。
六角ボルト・ナットをキャップに通して固定
六角ボルト・ナットをキャップの穴に通して固定します。
今回、私が購入したボルトは100mm。
そのままでは少々長くて使いにくかったため、最初にナットをかませて長さを調整しています。
電動ドリルドライバーにセットして完成
あとはコレを電動ドリルドライバーにセットするだけ。
ペットボトルを付けた方の写真は長さ調整前の物なので少々不格好ですが、こんな出来上がりになります。
ね、簡単でしょ?
電動ラインリムーバーの使い方
使い方は至って簡単。
ペットボトルにラインの端を貼り付け、ドライバーを回転させるだけ。
綺麗に巻き取るコツは、
- スプールとペットボトルが直角になるようにすること
- 巻き始めの回転速度はゆっくり(変な所にラインが巻き付かないようにするため)
- 空いた手の指でラインを軽く挟んで巻き取りの位置等の調整
の3つ。
ただし注意点がひとつあります。
それは、ラインを指で挟む際は必ずティッシュか軍手で挟むこと。
高速でラインが巻き取られるので、摩擦でやけどしたり、ラインで手を切る恐れがあります。
なお、私はリールをお股に挟んで作業しました(笑)
実際に使ってみた感想
では、使ってみた感想を書きます。
良かった点
巻き取りが超早くなった!そしてまったく疲れない!!
ラインは高速回転するドライバーが勝手に巻き取ってくれるので、あっという間に巻き取りが終わります。
人間様がやることといえば、ドライバーのトリガーを引くことと、ラインがあらぬ方向に行かないよう軽く制御するだけ。
文明の利器万歳!!
廃棄も簡単
ラインの廃棄も非常に簡単。
ペットボトルを分別する場合は、カッターでペットボトルをカットし、巻いてあるラインをズボッと外すだけ。
溝にハマって取りにくいラインもはさみでチョキン。
外したラインも結構コンパクト。
お住いの市町村によりゴミの分別ルールは違うと思いますが、私の住む青森県八戸市はペットボトルは分ける事となっているので、こういう風にしてラインを外しました。
ラインの上下入替えも対応できそう
今回はラインの廃棄目的で使用しましたが、上下の入替えも問題なく行えそうです。
作業の流れとしては、
- リールにセットしてあるラインをペットボトルに回収
- 回収したラインをもう一度別の空ペットボトルに巻き替え上下反転させる
- ナットを緩めてペットボトルが回転するようにする
- ボルト部分を固定してリールにラインを巻く(重さがあるドライバーに刺したままが固定しやすいかも)
という感じ。
改善点
強度面に不安あり
キャップ自体、それほど強度がないので、強い力が掛かると変形・破損します。
スプール内でラインが絡んでたり、スプールとラインを結んでる箇所は要注意。固定して動かない部分でキャップに負荷がかかるので、回転速度を落とさないとキャップが大きくたわみます。
まあ仮に壊れたとしても、ペットボトルなんて腐るほど手に入るからさほど問題ありませんが。
回転速度を上げすぎると軸がぶれまくる
強度の低いキャップを軸に回転しているので、ペットボトルの底(先端)の方の回転軸がぶれます。
ある程度の回転速度までなら制御が効くのですが、高速すぎるとぶれ幅が大きくなり制御不能に。扇風機に付けたオナ〇みたいな動きしますwww(動画は完全にアウトなので自重)
この問題については、回転軸を安定させるため、ペットボトルの底までボルトを貫通・固定すれば完全に解決しそう。妥協案はサイズの小さい350mlのペットボトルを使うことかな?
上手く改善すれば回収速度のさらなるアップが見込めます。
空ボビン(スプール)に対応させるのもアリ
ペットボトルだけでも正直十分ですが、ボビン(スプール)に対応させるのもアリ。
ラインの保管を考慮すると、ペットボトルは邪魔ですし。
径の大きいワッシャーなり、ゴムなり挟めばボビンも簡単に固定できるはず。
【まとめ】改善点はあるものの実用性バツグン
少々不安定な部分もありますが、十分実用に耐えうるレベル。
手作業してた時に比べ感動するくらい楽になりました。
今後、ペットボトルの上下を貫通させたり、空のボビン(スプール)を取り付けれるよう改良すれば、さらに使い勝手は良くなりそう。
たった200円でこんなに楽になるなら、もっと早く作っておけばよかったです。
インパクトドライバーでも使えるラインリムーブ専用ビットあり
類似アイテムを調べてみたところ、プロックスがインパクトドライバーでも使える専用ビットを1000円弱で売っているのを発見。
わざわざ自作しなくてもこれで良くね?